IDE連携が発表されて以降、爆発的に活用が進んでいるClaudeCode。 私も普段の開発ではだいぶ世話になるようになりました。 そうなると考え始めるんですよ
「執筆も補助してもらったら質もスピードも上がるのでは」
世の中そんな甘くはなかった。そんな話です。
*本記事ではWeb版のClaudeを便宜上ClaudeAIと呼んでいます。
1. ClaudeCodeで執筆補佐したら完璧なのでは?
昔から物書きなので、筆は早い方とはいえ会社経営しつつ開発しつつ…だとやはり執筆に使える時間はすくない。それでも書きたい事はいっぱいあるし、駆け出しエンジニアやジュニアと呼ばれる方々に届けたい情報もたくさんある。そうなるとやはり単位時間当たりの執筆量を増やすしかないと思うわけでして。 現代には便利な事にAIがあるんですよ。それならもうClaudeCodeに補佐させてVibeCoding改め、VibeWritingするしかないってなるのは半ば必然な話。
1.1 VibeCodingの経験からくる期待
Claude MAXを契約して以降、仕事に趣味にとClaudeCodeを使ってました。どのぐらい使っていたかというとこのぐらい。

(※データが残っている範囲&仕事用Macのみのデータ) データ化はこちらのツールを使ってます。
使ってみての感想はXなどを見てれば分かる通り、いろいろ感じ方は人それぞれなんだなと思いつつ。 自分としては「使い方を間違えなければ十分いいアウトプットを出してくれる」「月給$100のエンジニアがこれだけやってくれるなら儲けものすぎる」といった感じ。 ClaudeCodeの感想会は別の機会にでも。
そんなわけでこれだけ使ってるということは、それなり以上に評価してるというわけでして。 当然、期待もしちゃうよねって話ですよ。 これで俺も月産30記事のハイパー兼業ブロガーだぜ!ってね。
1.2 複数起動による自立型執筆組織構想
前セクションでも書いた通り盛り上がってるんですよ。気持ちが! で、そんな時にこれを見かけたらもう妄想が止まらないですよね。
簡単に要約すると、ClaudeCode:Aにボス役を命じ、ClaudeCode:B-Eにマネージャーと作業者をさせるというAIで完結した組織みたいなものです。 ボスにユーザが依頼という名の指示を出すと、事前に定義したプロンプトに従いマネージャへ、マネージャは作業者へと指示を出し成果物をその逆に受け渡し、完成したものがボスからユーザに提供される形です。 使われている技術等は上記Xのポストからリポジトリが共有されているので、興味がある方はそちらを参照してみてください。
2. ClaudeCodeによる執筆をためしてみて
というわけで!さくっとプロンプト用意するでごわす。 ClaudeCodeのセットアップ方法は無限に記事が書かれているのでぐぐってください。 node.jsのインストール方法次第ではpathの都合で動かないのですが、詰まるポイントはそこぐらいです。
時間と体力があったら自分もセットアップ方法の記事を書き…..たい。
(書きますとは言えないやつ)
2.1 第一印象
さて、早速適当に記事を書いてもらいました。 たしか最初は「ClaudeCodeによるVibeCoding入門」だったかな? その記事が当ブログにアップされてないことからも、賢明なる読者の方々は察していると思いますが。
まぁ、アップされていないということはそういうことです。
2.2 3日ぐらいためしてみて
色々試しました。
プロンプトの変更、CLAUDE.mdの度重なる改修、サブエージェントを利用した並列処理…etc
結論をいえば、現状は全く持って使えない。 VibeCodingでこれほどまでに働いてくれた弊社のClaudeCodeくんも執筆となると苦手なようです。
というのも、Codingってそこまで膨大な量をまとめて書かないんですよ。 多くても100行とかで、それ以上になるとオブジェクト指向的には「AといったらBを返す関数」という中身を気にしないというブラックボックス化によるリソース低減を行います。 しかし、記事の場合は起承転結とそれまでの流れを汲んだ上でのライティングが必要で、長文になるとメモリ上にそれだけデータが残るんですよね。 そのせいか、ClaudeCodeは延々とタイムアウトを繰り返すようになりました。(推測含む)
2.3 ブロガーとしては・・・
正直本音ベースで言えば、手書き記事と同じかそれ以上のクオリティが全自動で執筆出来ることが好ましいわけです。めちゃんこ楽できますからね。 でもそうなるとWeb上にはAIによって書かれた有象無象な記事があふれるようになります。
ただでさえレッドオーシャンなんて言われ、さらにはYouTubeの台頭によるニーズの低下。自分の記事が読まれる事は劇的に減るでしょう。 そうなるとAIで記事が量産できたとしても読まれる事はないわけです。他の誰もしてないのに自分だけAIで…となれば優位性はありますがそんな事ないですからね。 と、考えれば個人的には「楽はできなくてよかったんじゃないかな」とは思います。
実際いくつかの記事は記事の骨子までをAIで作成するといった事をして執筆していますが、現状はその程度かなと思います。
3. ClaudeCodeにだって得手不得手がある
ClaudeCodeに執筆を依頼してみた結果、わかったこともあります。
前セクションでも「Codingに最適化されている」という話をしましたが、執筆をさせると無駄にいろいろ考えてしまうせいか、Token消費が激しいようです。 実際インプット数百Tokenでアウトプット120kTokenなんて事もありました。しかも執筆に2時間以上かかります。(そして完成すらしない)
普段開発業務を補助してもらっているときには考えたこともない規模の消費&成果品質です。
3.1 期待していたそれ
ClaudeCodeでの執筆作業のコスト削減について、当初どの程度期待していたかという話をしましょう。 これでもエンジニアですからね。普段からClaudeCodeを利用している手前、何も考えず費用対効果の目測もなしにこんな事はしませんよ!その時間で記事書いたほうが得だなんて最初からわかっていれば1週間も時間使わなかったですからね!!
- 記事戦略の立案
- 記事骨子作成
- 記事執筆
- サンプルコードの作成
- SEO対応(タイトル・ディスクリプション作成、KW比率調査etc)
- 自動投稿
- 過去投稿記事の指定リライト
当然ですが、これらすべてを実現出来る事に期待していたわけではないです。
3.2 期待と現実のギャップ
これまで(執筆には)ClaudeCode使えなかった!と散々書いてきたのでお察しかとは思いますが、細かく見ていきましょう。
- 記事戦略の立案
- 結果論としてClaudeAIと比較した後だと「遅い&Token消費大きい」というデメリット込ですが十分実用できる質でアウトプット出してくれました。
- 記事骨子作成
- 正直AIが生成する記事構成(全体の流れ)は好みからちょっとはずれるけど、SEO記事としては十分だしそっちのがいいのは事実なのでいい感じ
- 記事執筆
- 出来上がった物の品質だけでいえばかなりいい。なお時間。と完遂率…
- サンプルコードの作成
- ClaudeCodeで執筆する利点はまさにここ。ClaudeAIを用いるよりも質がいい。
ClaudeCodeくん好き!
- ClaudeCodeで執筆する利点はまさにここ。ClaudeAIを用いるよりも質がいい。
- SEO対応(タイトル・ディスクリプション作成、KW比率調査etc)
- 質はよさそう。ただ執筆後に作成させると微妙。骨子作成前に実行するのがよさそう。
- 自動投稿
- ClaudeCodeで投稿ロジックを作らせればMCP使えるのでClaudeAIでもいける
- 過去投稿記事の指定リライト
- ClaudeCodeくんダメダメ。短い記事ならいいが、でかい記事だとすーぐタイムアウト連発した
良さげに書くとこんな感じ。 ただ、3000文字の記事書いてと指示しても20000文字の記事ができあがるとかClaudeCodeくんはかなり技術バカ的な曲者。 Coding補助に特化されて教育されてる事もあり、単純な執筆速度はかなり遅い。ClaudeAIならマジで1/10ぐらいの速度で書き上げてくれる。
3.3 ClaudeCodeの弱点と思われるところ
何度も書いているが、「筆がかなり遅い」ClaudeCodeに執筆させるという今回のテーマで言えばこれに尽きる。
ClaudeCodeの弱点としては、キャッシュ読み込みが強いせいか思考の沼にはまると指示を忘れて自身の間違った考えを延々と深堀りするような挙動をする。 Codingに特化した教育をされているので、当たり前ともいうが。一定量のコード(文字)を生成するとすぐにその内容を精査するような動きをしていそうで、Codingならバグの早期発見につながる。
Codingだと検証範囲が関数になり、呼び出される関数はin/outだけみてブラックボックス。メモリの消費量はかなり少ない。当然確認する必要があれば「この関数を次は調べます」といって調べに行くが。 しかし執筆の場合だとそうはいかない。プログラムと違って厳密なカプセル化という区分けが存在しない。当然見出しという区切りで一定の区分けはあるが、文脈として前章の流れを組むこともある。そのため大量の文章を常に参照せねばならず、定期的に整合性を確認する動作があるとすれば非常に高コストとなる。
多分きっとメイビーそんな感じの動作してる。OSSでもないし詳細はわからないけどね。
4. これで諦めたらエンジニアなんて名乗れないので
某バスケットボール部の監督だって言ってましたね。「諦めたらそこで試合終了」と。そんなわけでして、なんとかするわけですよ。 ほら、顧客要求をなんとか実現するのがエンジニアのお仕事なので。
4.1 ClaudeAIとの併用を考える
真っ先に浮かぶのがこれ。というかこれしかない。(他AIという手もあるが、契約したらコストも純増なので…) というわけで試しにClaudeCodeと作り上げた執筆フロー(8工程)をClaudeAIに投げ込んでざっくり執筆してもらう事を考える。 プロジェクト機能を使い、ナレッジをせこせこ書き、SEOガイドラインを参考資料として設定。
「ClaudeCodeによるVibeCoding入門記事を書いて」
そう。数日前にClaudeCodeに依頼したのと全く同じ記事です。
数秒の思考後、動き出すClaudeAI。「できました」 それに対する私の第一声は「ほーんstrategy.mdできたんかみてみるか」だった。でもできていたのは記事だった。 いやマジでこれ、ClaudeCodeの速度観認識で待ってたから一瞬女神転生だった。目が点。ナンチッテ。
面白くないっすね、バグです。ClaudeCodeくんに修正してもらいましょう。
4.2 そもそもこれならさ…
しかしですわ、いろいろ思ったけどMCPあるからディレクトリ指定して、SEOガイドラインとCLAUDE.md確認してから執筆してと定義しておくだけでいいのではと気づいてしまったわけです。
なんということでしょう、ClaudeCodeでタイムアウト問題や品質問題を懸念して記事テーマから戦略を起こし、SEO留意してタイトル・見出しを作成。 骨子として文章を仮入れしてセクション事に補強。コードサンプル等を順次追加してSEO観点での全体チェックして…としていたフロー全部無駄!
ClaudeCode時代に使ってたプロンプトの一部を紹介するよ
ステップ1-2: 企画フェーズ(strategy.md作成)
主要キーワード1-2個、関連キーワード5-10個
技術レベル、解決したい課題、検索意図
タイトル32-40文字、H2/H3見出し構成
ステップ3-8: 執筆フェーズ(article.md作成)
各見出しに1-2段落の簡潔な内容
具体例、理由、メリット・デメリットを追加
コードサンプル、表・図表、チェックリスト
論理的整合性、文章品質、技術的正確性
リード文、ディスクリプション、タグ設定
品質チェック、フォーマット確認
クソ真面目に記事を書こうと思えばこういうステップが必要だよねっていうものをAIにやらせるために書き出した感じ。
5. 現状とその先
こんな記事を書いてる最中にGeminiCLIが登場した(2025/06/26)おったまげた。
前情報として、分間60リクエスト、日に1000リクエストまでが無料。
さすがにGoogleさん大盤振る舞いすぎないか?
早速ためしたいが、実際Coding能力としてClaudeを超えることはないのは明白なので、執筆からためそうと思う。 ClaudeCodeが執筆に弱かったように、GeminiはGoogleだけあってweb検索に圧倒的に強い。そしてそれらをもとにした人間味あるWritingにも期待をしている。
5.1 ClaudeCodeの強みを活かす
ClaudeCodeはやはりCodingに特化しているだけあって、開発業務に使うのがベターだろう。
ブロガーという側面から言えば、サンプルコードの作成等に特化させて使いたい。
先ほどGeminiCLIの登場でも触れたが、Geminiに記事を書かせ、ClaudeCodeにサンプルコードを書かせるとかができたら強みを活かしあった執筆が可能かもしれない。
5.2 ClaudeCodeがダメダメだった本当の理由調査
**これは推察です **
ClaudeCodeの執筆が遅かったのはキャッシュされたトークンの活用を意識しすぎているからかもしれない。 OSSではないので真偽はわからないが、あまりにも強いキャッシュトークンの読み込みに定期的に /clear
しないと処理が遅くなるような節を開発に利用していても感じる。 そういう意味でも CLAUDE.md
をきちんと定義する事や、プロンプトの重要性が高いのかもしれない。
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